papersyndrome

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姓名: papersyndrome 英文名:- 性别:组合 国籍:日本 出生地:- 语言:- 生日:- 星座:- 身高:- 体重:-

姓名: papersyndrome 英文名:- 性别:组合 国籍:日本 出生地:- 语言:- 生日:- 星座:- 身高:- 体重:-

漆黒の闇の奥にそびえ立つ衝動を体感せよ!! 
エレキギターの爆音を轟かせ、ただ歪ませただけの音を使うバンドのことをシューゲイザーと言うらしい。マイ•ブラッディ•バレンタイン(以下マイブラ)のラブレスなどを引き合いに出され、一括りで語られる。特に、3年前くらいからUSインディを中心にディアハンターなどのバンドが出て来て、再燃している為か日本でもエモ系のバンドまで、含めてシューゲイザーという括りの中で語られる様になっている。

ちよっと待てよ、

シューゲイザーという手法自体、そんなに新しいものではない。60年代後期のサイケデリィックも80年代のマイブラも90年代のオルタナ、グランジなども手法的には、残響サウンドである。時代によっては、ファズだったり、ディストーションだったり、クリーントーンの時だってある。そこにガレージ系のリバーブが処理されると残響つまり今で言うところのシューゲイザーサウンドに変化する。

さて、ここで大切なのは、サウンド面よりは、その奥にあるフィロソフィこそが、シューゲイザーには、必要ではないのか。

元々、靴を見つめる様に下向きでパフォーマンスするスタイルから語源が来ている様に、ストイックにそして主流に反発するかの様に爆音でぶっ壊して行くのが本来のシューゲイザーであろう。

その時代のテクノロジーを駆使し行き着くところまで、行き着いた時に必ず登場する残響サウンド。サイケデリック然り、マイブラ然り、グランジやオルタナ然りだ。突然、画一されたロックの形態をぶっ壊したくなる衝動。理屈やテクノロジーが邪魔になるくらいはみ出す衝動。 

残響でぶっ壊したくなるのは、サウンドの表現方法に対してもあるだろうが、うわべだけの倫理感にまとわれた日常や社会に対しての不満への衝動も含まれる気がする。 

さて、昨今のそんなUSインディーやUKインディーのシューゲイザーシーンに呼応するかの様に、日本から登場したバンドが、papersyndromeだ。

テナーからソプラノまでの音域をファルセットを使わずして発声してしまう、ボーカル・ギターの白石を中心に結成された若き残響ロックバンドだ。 

彼らのサウンドの特徴は、先にも触れた様に何と言っても、白石のボーカルスタイルとバッキングギターだ。テナーからソプラノまで、ファルセット無しにカヴァーするボーカリストは、そうそういるものではない。もっと言えば、3オクターブは軽くカヴァーしているのである。よく言う、「何オクターブ出ます」みたいなボーカリストは、ほとんどかファルセットを含んでいるので、使える声なのかどうかは曖昧だ。そういう意味では、白石の声は大きな武器になることは、間違いない。

そして、この自身のボーカルにバッキングギターが加わる。エレキギターには珍しくローコードを中心と したコードワークなのだが、時にジャズの様な複雑なテンション生み出す。ギターの構造が分かる人には想像出来ると思うが、Cのコードのまま、3フレットに持っていけば、Dになるのだか、開放弦をそのまま残すため、響きにテンションが生まれる。白石のコードワークには、その様なコードが多々見られる。天性の感覚で生み出されるその響きは本人さえもコードネームが分かっていないものもある。そして、その複雑な響きに歪みが加わる分けだ。これだけでも充分サウンド的には独特と言っていいだろう。

次に2ndギター原田の絶妙なリフとディレイを中心としたサウンドが 空間を演出して行く、時に激しく、時に美しく。白石の奏でる歌とギターとは、正反対にとても多彩である。

この2トップである、白石と原田のサウンドを何かに例えると漆黒の闇の中に立ちはだかる得体の知れない壁の様だと感じる。そこには、孤独や絶望の中でもがき苦しみ、戦う姿がある。

この2人の戦いを支えているのが、大橋の女性ベーシストは思えないゴリゴリのベース とコーラスワークだ。白石の複雑なコードワークを実にシンプルなラインに置き換え低音から支えている。

そして、このある種バラバラな個性の塊をビートでまとめるのがドラムである福田の役割だ。クラシックで言えば、指揮者の様な役割を本人が知ってか知らずか、とても巧妙にビートで全体をまとめている。 

この一聴するとシューゲイザーとも残響系とも形容出来るpapersyndrome 。しかし、それは、ただ、サウンド面を表面的に武装したのではなく、その奥に潜む精神性から衝動的に爆発させたものだということが、この7曲入りのアルバムを聴けば分かるはずだ。

まだ、二十歳そこそこの4人が繰り出すエナジーの出発点とも言えるこのアルバムで、papersyndromeが投げた彼らの衝動 に是非、耳を傾けていただけたらと思う。そこには、現代社会に潜む闇の一部があなたの耳にも届くのではないかと期待したい。